2018年06月30日
tai
エンタルピーとは
先ず、静止している物質のエネルギーのやり取りについて考えます。物質は気体でも液体でも構いません。物質はある内部エネルギーを有しています。内部エネルギーについて簡単に説明します。まず、液体や気体を構成する分子は様々な方向に飛んだり振動したりしています。そうした運動する分子は運動エネルギーなどのエネルギーを有しています。物質とはそうした分子の集まりです。そして、そのように分子がある量集まって物質を構成するとき、その個々の運動エネルギーなどの合計を内部エネルギーと言います。液体や気体といった物質が容器に入っているとします。容器内の物質に何らかの形でに熱を加えると通常膨張します。そして、一般的に内部エネルギーの変化を伴います。これを式で表すと
U1+Q=U2+W
と表します。これは、Q、Wを正の値とすると内部エネルギーU1の状態の物質に熱Qを加えると仕事Wが取り出されるという意味です。
ここで熱と仕事の違いを簡単に説明します。先ず、仕事について説明したほうが分かりやすいかもしれません。仕事とはある目に見える変化が観測されるエネルギーの移動と考えることができます。目に見える変化が起こる時、物質を構成する分子は集団で何らかの方向に作用しています。膨張はシリンダーに入っている気体がピストンを押すこととして観測されますが、これは様々な方向に飛行し衝突する各分子がピストンに衝突するとき、その分子が、例えば斜め方向からピストンの壁に衝突しても、ピストンの壁と垂直な方向にも力を及ぼします。たくさんの分子が同じように様々な方向からピストンに衝突し、垂直方向にも力が作用しています。すると、分子一つでは動かないピストンも分子の集団によって動くことになります。このとき、分子の集団は、その一つ一つは様々な方向に飛んで衝突しながらも、ピストンが移動する方向に規則的な作用を及ぼしていることになります。この規則的な作用の結果、分子の集団によるエネルギーの移動が目に見える形で観測される現象として現れます。このときこれを気体がピストンに仕事をしたといいます。例えば、ピストンのように一方向でなくても風船が膨らむ場合でも同じで、風船の中で様々な方向に飛び交う気体の分子の集まりが放射状の向きに規則的な作用をした結果、目に見える”膨らむ”という現象として観測されるのです。このとき、気体は風船の表面積を引きのばす仕事と風船の外の空気などを押しのける仕事という二つの目に見える変化を引き起こしたことになります。
纏めると、仕事というエネルギーの移動は分子の規則的な作用によって何らかの変化が起こることによるということです。
一方、熱とは目に見えない形でのエネルギーの移動の現象です。
ここまで、静止している物質について考えてきました。では、流れている物質、つまり流体から取り出せるエネルギーはどう考えるかについてです。静止している液体や気体などの物質の場合、容器に入っている状態から考えました。流体の場合容器に入る時と出る時を新たに考慮します。先ず、流体のエネルギーは単位時間当たりのエネルギーとして考えます。流体が単位時間に入ってくる体積、そして出ていく体積を体積流量と言います。それともう一つ重要なのが、流体の圧力と流体の体積流量の掛け算は単位時間当りの流体がその圧力でその体積分押し出す仕事だということです。単位時間に流れる流体はそれを構成する分子が集団で流れる方向に移動していて、その方向に対して押出すという規則的な作用があるのでそうした仕事をする能力があるということになります。配管から容器の中に流体が流れ込む時、容器内に何か仕事を取り出す装置、例えば、羽車といったものがあればそこに流体が作用し仕事が得られます。流れている以上、容器から出ていかなければなりません。出るときは容器から押し出されるわけで、流体は容器から仕事をされ、そのエネルギーをもらって出ていくことになります。すると、正味では入ってきたときと出ていったときの仕事をする能力の差に相当する仕事が得られます。言いかえると流体の流入時の仕事をする能力は流出時の仕事をする能力と流体に由来する仕事の合計に等しいということです。
そして、流体が配管から容器に入った後は、静止している気体や液体と同様、容器内で熱を加えられるなどして、容器内空間で膨張し、何らかの形で羽車等に規則的な作用、つまり、仕事をします。このとき、流体の内部エネルギーが一般的に変化します。
このように、容器に流入し流出するときと容器内で膨張するときの規則的な作用の合計としての仕事が、流体の容器通過で得られると考えられます。言いかえると、流体の容器への流入時の内部エネルギー、圧力×体積流量に熱を加えると、流出時の内部エネルギー、圧力×体積流量と仕事が取り出されるということです。これを式で表すと、
U1+P1v1+Q=u2+P2v2+W
と表されます。さて、やっとここでエンタルピーHの出番です。エンタルピーHは
H=U+PV
と定義されている概念です。従って、上式は、
H1+Q=H2+W
と表されます。
先ず、静止している物質のエネルギーのやり取りについて考えます。物質は気体でも液体でも構いません。物質はある内部エネルギーを有しています。内部エネルギーについて簡単に説明します。まず、液体や気体を構成する分子は様々な方向に飛んだり振動したりしています。そうした運動する分子は運動エネルギーなどのエネルギーを有しています。物質とはそうした分子の集まりです。そして、そのように分子がある量集まって物質を構成するとき、その個々の運動エネルギーなどの合計を内部エネルギーと言います。液体や気体といった物質が容器に入っているとします。容器内の物質に何らかの形でに熱を加えると通常膨張します。そして、一般的に内部エネルギーの変化を伴います。これを式で表すと
U1+Q=U2+W
と表します。これは、Q、Wを正の値とすると内部エネルギーU1の状態の物質に熱Qを加えると仕事Wが取り出されるという意味です。
ここで熱と仕事の違いを簡単に説明します。先ず、仕事について説明したほうが分かりやすいかもしれません。仕事とはある目に見える変化が観測されるエネルギーの移動と考えることができます。目に見える変化が起こる時、物質を構成する分子は集団で何らかの方向に作用しています。膨張はシリンダーに入っている気体がピストンを押すこととして観測されますが、これは様々な方向に飛行し衝突する各分子がピストンに衝突するとき、その分子が、例えば斜め方向からピストンの壁に衝突しても、ピストンの壁と垂直な方向にも力を及ぼします。たくさんの分子が同じように様々な方向からピストンに衝突し、垂直方向にも力が作用しています。すると、分子一つでは動かないピストンも分子の集団によって動くことになります。このとき、分子の集団は、その一つ一つは様々な方向に飛んで衝突しながらも、ピストンが移動する方向に規則的な作用を及ぼしていることになります。この規則的な作用の結果、分子の集団によるエネルギーの移動が目に見える形で観測される現象として現れます。このときこれを気体がピストンに仕事をしたといいます。例えば、ピストンのように一方向でなくても風船が膨らむ場合でも同じで、風船の中で様々な方向に飛び交う気体の分子の集まりが放射状の向きに規則的な作用をした結果、目に見える”膨らむ”という現象として観測されるのです。このとき、気体は風船の表面積を引きのばす仕事と風船の外の空気などを押しのける仕事という二つの目に見える変化を引き起こしたことになります。
纏めると、仕事というエネルギーの移動は分子の規則的な作用によって何らかの変化が起こることによるということです。
一方、熱とは目に見えない形でのエネルギーの移動の現象です。
ここまで、静止している物質について考えてきました。では、流れている物質、つまり流体から取り出せるエネルギーはどう考えるかについてです。静止している液体や気体などの物質の場合、容器に入っている状態から考えました。流体の場合容器に入る時と出る時を新たに考慮します。先ず、流体のエネルギーは単位時間当たりのエネルギーとして考えます。流体が単位時間に入ってくる体積、そして出ていく体積を体積流量と言います。それともう一つ重要なのが、流体の圧力と流体の体積流量の掛け算は単位時間当りの流体がその圧力でその体積分押し出す仕事だということです。単位時間に流れる流体はそれを構成する分子が集団で流れる方向に移動していて、その方向に対して押出すという規則的な作用があるのでそうした仕事をする能力があるということになります。配管から容器の中に流体が流れ込む時、容器内に何か仕事を取り出す装置、例えば、羽車といったものがあればそこに流体が作用し仕事が得られます。流れている以上、容器から出ていかなければなりません。出るときは容器から押し出されるわけで、流体は容器から仕事をされ、そのエネルギーをもらって出ていくことになります。すると、正味では入ってきたときと出ていったときの仕事をする能力の差に相当する仕事が得られます。言いかえると流体の流入時の仕事をする能力は流出時の仕事をする能力と流体に由来する仕事の合計に等しいということです。
そして、流体が配管から容器に入った後は、静止している気体や液体と同様、容器内で熱を加えられるなどして、容器内空間で膨張し、何らかの形で羽車等に規則的な作用、つまり、仕事をします。このとき、流体の内部エネルギーが一般的に変化します。
このように、容器に流入し流出するときと容器内で膨張するときの規則的な作用の合計としての仕事が、流体の容器通過で得られると考えられます。言いかえると、流体の容器への流入時の内部エネルギー、圧力×体積流量に熱を加えると、流出時の内部エネルギー、圧力×体積流量と仕事が取り出されるということです。これを式で表すと、
U1+P1v1+Q=u2+P2v2+W
と表されます。さて、やっとここでエンタルピーHの出番です。エンタルピーHは
H=U+PV
と定義されている概念です。従って、上式は、
H1+Q=H2+W
と表されます。