2018年05月01日

省エネ改善提案No.3外気取入れ量の適正化

今回の省エネ提案事例は改善提案No.3外気取入れ量の適正化です。
提案概要は下表のようになります。





今回も空調設備に関する省エネです。空調設備には室内の空気を一定の温度、湿度に維持するとともに空気の衛生面も求められます。そこで空調設備は循環する空気の一部に外気を取り入れて混合し、室内に供給することを行っています。しかし外気取入れ量が多いと外気の熱負荷で省エネの面では宜しくありません。従って、空気の衛生面と省エネのバランスを考慮して、適正な外気取入れ量の削減を行う必要があります。今回の提案はそうしたバランスを考慮した省エネ提案です。ポイントは室内と外気のCO2濃度です。

以上を踏まえて、改善提案No.3外気取入れ量の適正化について内容を提示します。

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提案3 外気取入れ量の適正化
ガス吸収式冷温水機で消費する都市ガスの削減量は空調での外気負荷削減量に比例します。
そこで、月別外気データ、空気環境測定結果、湿り空気線図より以下の表を作成しました。





tCO;外気平均気温、φa;外気平均湿度、hCO;外気エンタルピ,Xa;外気CO2濃度、⊿h=|hCO-hCR|
tCR;室内平均気温,φr;室内平均湿度、hCR;室内エンタルピ、Xr;室内CO2濃度、⊿h’=⊿h×(1-全熱交換器効率)

・試算条件;
室内平均気温、湿度、CO2 濃度;冷房期間(中間期)は5 月、同(夏期)は8 月、暖房期間は2 月の空気環境測定結果の各観測地点の平均

全熱交換器効率;0.55、室内外エンタルピ;各温湿度データより空気線図で割り出す。

外気削減率;(Xr'-Xr)/(Xr'-Xa)、Xr';室内CO2濃度目標値900ppm

現状外気取入れ量;24000 ㎥/h、外気削減量;24000 ㎥/h×(Xr'-Xr)/(Xr'-Xa)

外気負荷削減量;外気削減量×1.2×⊿h'、1.2;空気の密度[kg/㎥]

月間外気負荷削減量;外気負荷削減量×160h/月÷1000、160h/月=8h/日×20 日/月

期間外気負荷削減量;各期間の月間外気負荷削減量の合計

期間都市ガス削減量;期間外気負荷削減量÷実効COP÷41.66、実効COP;COP×劣化率

COP;冷房時1.2、暖房時0.9、劣化率;0.65、41.66;都市ガス低位発熱量[MJ/㎥]

・試算;
年間都市ガス削減量;期間都市ガス削減量の合計=778+590+4,852=6,220 ㎥/年
低減コスト;6,220 ㎥/年×76.5 円/㎥=476 千円/年
原油換算;6,220 ㎥/年×0.045GJ/㎥×0.0258kL/GJ=7.2kL/年
CO2削減量;6,220 ㎥/年×0.045GJ/㎥×0.0136t-C/GJ×44/12t-CO2/t-C=14.0t-CO2/年
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次回、計算式の考え方等について解説します。


Posted by 環境省エネの若先生 at 04:07│Comments(0)TrackBack(0)省エネルギー関連

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