2014年12月22日

省エネ技術解説1;蒸留プロセスの設計について(本編)

 前回に引き続き、蒸留プロセスの設計についてです。
 今回いよいよ計算に入ります。
 その前に前回、蒸気の比エンタルピーについて述べましたが、hv=hl+λで表されるのは正確には乾き飽和蒸気の場合です。
乾き飽和蒸気とは流体が、ある圧力下でその飽和温度(沸点)において、全て気体(蒸気)の状態のことです。一方、湿り飽和蒸気とは流体が、ある圧力下でその飽和温度(沸点)において液と蒸気の二つの状態で存在している(混相流という)ことです。混相流1kgにおける蒸気分をxkg-v/kgとすると、混相流1kg当たりの蒸気分のエンタルピーはxhv=x(hl+λ)ということになります。一方、残り(1-x)kg-l/kgが液分ということになるので、混相流1kg当たりの液分のエンタルピーは(1-x)hlとそれぞれ表されます。したがって混相流である湿り飽和蒸気の比エンタルピーはh=xhv+(1-x)hl=x(hl+λ)+(1-x)hl=hl+となります。ここで、出てくるxを乾き度といいます。加熱プロセスを通過後の蒸気は乾き度が低下します。そして発生する液分はドレンといい蒸気分の分離され、排出されます。
次に、混合溶液の比熱についてですが、混合溶液の質量流量をmとしてその内訳がA成分mA、B成分mBとるすとm=mA+mBで混合溶液の比熱はcp=(mA/m)cpA+(mB/m)cpBとなります。


Posted by 環境省エネの若先生 at 14:55│Comments(0)TrackBack(0)省エネルギー関連

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